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bloody’s diary

☆血反吐を吐きつつ書くブログ☆

「カルテット」と「荊の城」と「アナと雪の女王」

テレビ 映画 読書 女性

(※ネタバレあるよ!!)

 

カルテット、「問題のあるレストラン」の坂元裕二が脚本ということで、1話(油断してたら半分くらいしか見れなかった)をのぞいて全話本当に心の底から待ち遠しく楽しみに見てました。

www.tbs.co.jp


ラブサスペンスとの看板にふさわしく最終話が近づくにつれ息詰まる展開になりました。
ラブ、とはいいつつも単純なヘテロエンドではなく、煽りコピーだった「全員片
思い」「四角関係」も男女間のそれには決着はつかず、それぞれ同性同士のつながりを深めたような描写でエンディングを迎えました。

 

んで、エンドロールで歌うまきさん(松たかこ)を見てやっと思い至ったんですよね、ああアナ雪だって。

 

改めて説明するまでもないかもしれませんが、アナと雪の女王は日本では2014年に公開されたディズニー映画で、エルサとアナの姉妹ダブルヒロイン、女性が胸の中に抱えている激しい嵐と抑圧、真実の愛とは王子様の間ではなく姉妹間にこそ存在していたものであると提示して、ヘテロ主義や王政を残している部分はあるものの、何度見ても私は泣いてしまうし私にとって色あせない輝きのある名作です。

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「カルテット」で松たかこさんが演じたまきさんも、不幸な境遇で自分の中に秘密を抱えて自分を偽って生きてきた女性、そしてそのまきさんを「(今まで自分の周りにいた人たちと違って)嘘がない」とまっすぐに信じて強く慕っているのが、まきさんよりいくつか年下らしいすずめちゃん(満島ひかり)。
罪を犯した夫と共にカルテットのみんなで共同生活している軽井沢の家から離れ、東京に戻ろうとしたまきを止めるすずめちゃん、一言「抱かれたいから」とささやかれ拒絶されたときの満島ひかりの表情はすごかったし、胸が締め付けられるように痛かった・・・。

で、すずめちゃんは松田龍平演じる別府のことが好きで、すずめちゃんをそれまでの生活から救い出してカルテットへと導いてくれたのは別府さんで彼は王子様で(というか共同生活を送る別荘を提供するのは別府さんなので、彼はみんなの王子様)でもすずめちゃんは自分で運命を切り開き、まきさんを取り戻そうとする。

ここで大事なのは、自ら主体的に動いて、望んで手に入れようとするのは王子様ではなく、一時的とはいえ仲睦まじく姉妹のように暮らした同性というところ!

カルテットの場合、王子様は捕まえようとしなくても望んでそばに居てくれる。

けど同性の友人はそうじゃなかったので、すずめちゃんの呪いをまきさんが解いてくれたように、すずめちゃんがまきさんに掛かった呪いを解きにいった。


アナの凍った心臓を溶かしたのはエルサの真実の愛で、それがアナの求めていたものであったけど、まきさんとすずめちゃんも同じだったんじゃないかと。

 

話は変わりますが、私の大好きな映画監督パク・チャヌクの新作が日本でも上映さ
れました。

ojosan.jp

愛媛で上映されるのは少し遅れて4月15日からで、先駆けて映画の原作である「荊の城」を読んだのですが・・・

 

これアナ雪の完成形やん!!!

 

って感動しました。


「荊の城」は童話のフェミニズム批評がなされるときには必ずといっていいほど話題になる「ねむり姫」のいばらの城を暗喩したタイトルです。

 

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眠れる森の美女にさよならのキスを―メルヘンと女性の社会神話 (ポテンティア叢書)

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様々な要因から眠りにつかされている二人のヒロインがどうやって目覚め、入れ子構造になっている荊の城を傷だら
けになりながらも自らの手で道を切り開いて城から抜け出し、二人でハッピーになる話で、しかも二人のヒロインは正真正銘恋に落ちて、紆余曲折はあるけれど階級と障害と運命を乗り越えて結ばれる。男性キャラは添え物(魅力的ではあるけれど)であり、だいたいがろくでなし。

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男性の目は気にせず、王子様も待ち望まず、女性が同性である女性との絆で救われ得たり報われたりするお話がもっともっと世に出てくれば楽しいなと思いました。


というかもうありきたりなヘテロラブストーリー(嫌いではないものの)にわざわざ金を出そうという気はすっかりしぼんだよね。。。

 

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