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bloody’s diary

☆血反吐を吐きつつ書くブログ☆

念願の「国際市場で逢いましょう」を見ましたよ!!!

ファン・ジョンミン 韓国 映画

ファン・ジョンミン祭もこれを持ってクライマックス!!(マッドマックスと言いたいのをようやっと抑えた)ドンコドンコドンコドンコドゥルルルルルルルル!!!

国際市場を見てきましたーーーー!!!

kokusaiichiba.jp

切符売り場で「こくさいしじょうを・・・」と言ったら「こくさい い ち ば で逢いましょうですね」と返されてテヘペロ☆しました!

 

映画は韓国釜山の国際市場に店を構えている老人の日常と彼の生きてきた道のり、朝鮮戦争から始まって西ドイツへの出稼ぎ、ベトナム戦争への参加、離散家族の再会を交互に描きます。

70年強の時間の経過を120分程度で描くので、どのような構成になっているだろうかと思っていたら、全編クライマックス、説明も最小限、削るところは潔く削ってあり、だからこそずっと私も泣きながら見てました。

終始泣き所が散りばめられているので、涙もろい人や感性豊かな方は見るだけで疲れてしまうかもしれないです。

 

 

 

ストーリーはファン・ジョンミンさん演じる主人公ドクスが朝鮮戦争で生き別れになった父親の代わりに家長の重責を担い、自分の希望や夢を捨て、ひたすら家族のために尽くし、身を粉にしてひたすら働く物語です。

儒教の国、韓国での家父長制の苛酷さ、韓国の動乱の現代史がひとつの家族を軸にして描き出されます。

 

連想したのは同じ韓国映画の「息もできない」「悪いやつら」「海にかかる霧」です。

「息もできない」のヒロイン、ヨニの父親は兵士としてベトナム戦争に参加し、そのご心に大きな傷を追い、働くことも出来ず酒に溺れて自分の家庭も崩壊寸前でした。

「悪いやつら」の主人公は家族を養うこともですが、おそらく一番は自分の野心に燃えて裏社会と関わりを持つことも辞さない。

「海にかかる霧」の船長も古い世代の価値観の持ち主で、威厳ある家長であろうとする余り道を踏み外してしまった。

 

その辺から考えるとドクスはとても健康で賢く、あまりにも善良なんですよね。

西ドイツへの出稼ぎも、厳しい倍率だった学科試験と体力試験に合格してしまう。

西ドイツでも激しいホームシックと苛烈な労働環境に晒されながらも事故が起こるまではきちんと働けていたし、生涯の伴侶も見つけてしまえるほど健全だった。

ベトナム戦争に民間人の技術者として派遣された時も、地元の子どもと触れ合い、極限状態で助けようと動けるほど、まっとうな道徳心と行動力を持っているんですよね。

だから彼が家族の犠牲になっていることを知りながら、それに心を痛めながらも彼を頼ってしまう。

彼はそれに耐えられるから。それが出来てしまうから。

「息もできない」の父親のように心身を病み、家長の責任を投げ捨てていたら?

もしくは「悪いやつら」の主人公のように悪の道に入っていたら?

と考えずにはいられませんでした。

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  もう一つは家族の歴史です。

今は朝鮮民主主義人民共和国の領土である興南地域に主人公一家は暮らしていましたが、戦争が激しさを増し、敵軍が進軍してきたため一家は南へ逃れようとします。

大勢の人が避難民として米軍の艦船が停泊していた波止場へ押し寄せ、米軍は武器を捨て避難民を収容して南下するという決断をする。

海岸にはなんとしても船に乗りたい人々が溢れ、その混雑のさなかに父と妹とはぐれてしまったのが主人公の生涯に大きな傷となって残ります。

 

私の祖父母も戦時中は大陸で暮らしていた引揚者です。

私はこの映画のこのシーンを見てやっと日本で夏になったら描かれる戦時中を描いたドラマなどをどこか他人事のように見てしまう理由が分かりました。

私の祖父母は戦時中は大陸にいたからなんですね。

哀しき獣」で祖母がよく口にしていた地名を聞き、祖父母が暮らしていた地域がどんな場所なのか知りました。

このシーンで描かれた苛酷さを、祖父母も経験してきたのだ、とやっとその苦労の幾ばくかを知ることが出来ました。

ドクスが老人になってから感じた気持ち、彼のお陰でそれほど苦労もせず幸せに暮らしたであろう家族たちとの価値観のずれを、私たち孫を前に祖父母も同じように感じていたことでしょう。

加えて、私の父親のことも考えました。

父は他の家から我が家に入ってきた婿養子なんですが、いかにも昭和な価値観の持ち主で我が家の家長として立派に勤めを果たさなければならないともがいていたように思います。

とはいえ10代の時に父は鬼籍に入っているので、確かめようもないのですが、それでもドクスの葛藤を、父に重ねあわせて見てしまいました。

祖父母は戦争で苦しみ、父も亡霊のように残る家父長制の家長の重みに苦しんでいた。

 

映画の中でドクスは苦労したのが自分でよかった、子どもたちじゃなくてよかったと妻に手紙で伝えています。

この気持は私にも分かります。

辛いのは私まででいい。子どもたちには幸せでいて欲しい。

そのためには、幸せに行きていける世界のために私を含めた大人が踏ん張らなければならない。

また、20世紀日本が国際社会で何をしたか、外の視点から見るのも大切なことだと思いました。

 

と言いつつ、ファン・ジョンミンさんのアイドル映画としてもとても楽しめたので、また別途感想書きます。