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bloody’s diary

☆血反吐を吐きつつ書くブログ☆

映画「爆裂野球団!」見たよ!!

 極私的ファン・ジョンミン祭り開催中ですよ!!

bloody.hatenablog.com

 今回は韓国映画界の至宝、ソン・ガンホ主演「爆裂野球団!」だよ!

2002年公開、ヒロインは「10人の泥棒たち」でセクシーな大人の女を演じたキム・ヘス。この映画ではクラシカルなヘアスタイルやドレスをとても可愛らしく着こなしています。

日本人俳優の伊武雅刀や鈴木一真も日本の軍人役で出演しています。

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 この映画でファン・ジョンミンさんが演じるのは、日本語通訳者として裕福な生活を送っているらしい親日派のお坊ちゃんリュ・グァンテです。

(ネタバレちょっとだけあるよ)

 

 

 

物語の始まりは1905年、朝鮮半島の覇権をめぐって勃発した日露戦争が終わり、第二次日韓協約が結ばれた年です。

この協約により当時大日本帝国と自らを称していた日本が、大韓帝国の内政および外交権を接収し自らの保護下に置くことになりました。

ここから戦争と日本による植民地支配の暗い影が強くなる、そんな時期なのですが、映画はあくまで牧歌的で明るいコメディです。

最初見た時は好きな俳優さんも出てるし、物語もよく出来ているので脳天気に楽しんでしまいましたが、日本人としてそれは許されるのだろうかと考えこんでしまいました。

 

以前読んだ『「韓流」と「日流」』(2010年初版)という本にこういう文章がありました。

 

お気づきの方も多いかもしれないが、韓国時代劇では、近現代の歴史、とりわけ日本との関係の深い時代やテーマは敬遠されている。韓流ブームが始まる前の「反日」傾向の強かった韓国においてすら、じつは「反日」的な連続ドラマはほとんどなかった。

 

『韓流が伝える現代韓国』という本にも韓国の支配者層の複雑さについては触れてありましたし、映画「高地戦」でも親日派よりも同じ民族である共産主義者への処罰感情の方が大きいことを主人公が上司に皮肉っていました。

私は色んな思惑が入り交じる政治の方面については想像の範囲を超えているし、まだ数冊しか本も読んでいないので余計なことは書けないのですが、確かに今まで見た韓国映画も拍子抜けするくらい日本への峻烈な批判は見当たりませんでした。

この映画に登場する主要な日本人キャラも高圧的ではあるけれど、人間的には好人物として描かれています。

とはいえ、作中登場人物オ・デヒョンに対し日本人将校が日本語読みで「ごだいけん」と呼びかけるシーンは今から見ると傲慢で嫌な感じでした。

とはいえ新聞社が中国、韓国などの人名を日本語読みではなく、現地に近い発音で表記するようになったのも割と最近ですよね。

 

この映画の話に戻りましょう!

主人公のホチャンは科挙に受かるべく勉学を重ねていた学士でしたが、国の体制が変わり科挙が廃止されたため、目標を失って無為の日々を送っている最中にアメリカ人宣教師から野球というスポーツを教わります。

このホチャン、一応学士ではあるものの、勉強は嫌いで体を動かすことのほうが好きな体育会系であることが言葉はなくとも最初から伝わってくるんですよね!!

なぜか英字新聞のaの数を数えてるグァンテのかたわらでボール状のものをとても楽しそうに(そして上手に!)蹴って遊んでいる姿が堂に入ってる!

そのボールがアメリカ人宣教師の邸宅に転がっていき、彼は野球と運命の出会いを果たします。

そこで通訳として働いていたミン・ジョンニム(キム・ヘス)を監督に、大韓帝国(当時)初の野球団が結成されます。

グローブもヘルメットもスパイクもない、お面や鍬の棒、わらで編んだミットなどありあわせのものを使いながらもなんとか体裁を整えてプレーをする姿はファンタジックにも見えるほどのんびりとして平和的です。

 

身分制度は1894年に廃止されているものの、階級意識は人々の間に根強く残っていたらしく、このチームの中にも元両班とその使用人がおり、元両班ビョンファンは元使用人ソンハンに対して傲慢に振る舞い「使用人の投げた球などとれるか」とふんぞり返ってます。

最初はビョンファンに逆らえなかったソンハンですが、物語が進み、YMCA野球団としてまとまってくるにつれて、「身分制度はもう廃止された、そんなふうに言われる筋合いはない」とはっきり抗議できるようになります。

また同じチームに属しながらも親日派(に属すると目される)父を持つグァンテと、実は独立運動をしているオ・デヒョンの関係、日韓協約が締結されたことに抗議して自ら命を経った父を持つジョンリムとデヒョン、そしてただ野球を愛し、ジョンリムに心惹かれるホチャン。

コメディとして随所に笑いを散りばめながらも、色んな関係性を描くことで当時の複雑な状況も浮かび上がってきます。

もちろん中盤にかけて彼らの練習場を有無をいわさず接収する日本軍の横暴さも描かれてはいますが、あくまで青春スポーツコメディとして爽やかなラストになっています。

 

もう一つの見どころは、馬夫青年として特別出演しているチョ・スンウです!!!

この子が「タチャ」でこの映画のヒロイン、キム・ヘスと堂々の恋人役&主役を張れるようになるのか!と思うと感慨もひとしおですよ!!

「韓流」と「日流」〜文化から読み解く日韓新時代 (NHKブックス)

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韓流が伝える現代韓国―『初恋』からノ・ムヒョンの死まで (シリーズ平和をつくる)

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