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bloody’s diary

☆血反吐を吐きつつ書くブログ☆

映画「ソロモンの偽証 後編・裁判」見ました

映画

 

bloody.hatenablog.com

 

「前編・事件」を見てから原作を一気読みし、あれをどう映像化するのかワクワクしながら待っていた後編を友人と見に行ってきました。

solomon-movie.jp

前編の感想でも書いたのですが、原作で切り落とされた部分が悪いように作用して、原作では文章でさえエキサイティングに描かれていた調査からの裁判の様子が映画ではただただ観客の涙を搾り取るために利用されていたように私には思えました。

あまり重要ではないシーンが長く撮られている割に、事件を理解するのに必要な部分は削除されている。

 そもそもの事件が起きたこと、そこから続く不穏な事件の数々の原因は子どもたちだけでなく大人たちにもあるのに、そこはほとんど描かれない。

大人の汚さや事なかれ主義に嫌気が差した中学生たちが自主独立して裁判を始めたのに、その汚い部分にはほとんど踏み込んでない。

 大人たちが現実に目を向けず、何もなかったように今までと同じく暮らしていこうとするのに反旗を翻して地道に事実を掘り起こしていく子どもたちの奮闘があまり描かれていない。

裁判の様子だってだいぶ省略されていて、証言を引き出すことに寄って事態が刻一刻と変わって行く、という原作の醍醐味も出てなかった。

おさまりのいい大団円の結末を目指したせいで、嘘のように全てがうまくいって解決したようなラストになり、この事件で一番傷ついた主要人物に原作で用意されていた重要な救いもなくなってしまった。

 

私は原作を読んでいたので、そういう違いに気づいてものすごく白けた気分でしか映画を見れなかったのですが、もし原作を読んでいなかったらどうだったろうな、と思います。

その状態で何かのメッセージをこの映画から受け取ることができたのだろうか。

キャスティングや俳優さんの演技はよかっただけにとても残念でした。

ソロモンの偽証: 第I部 事件 上巻 (新潮文庫)

ソロモンの偽証: 第I部 事件 上巻 (新潮文庫)