bloody’s diary

☆血反吐を吐きつつ書くブログ☆

映画「親切なクムジャさん」見たよ!!!!

「渇き」でやばい!!私この監督好き!!!と気付き、狂おしい思いに駆られ、せかされるようにレンタル屋さんに行って借りてきました。

eiga.com

「宮廷女官チャングムの誓い」の主演イ・ヨンエが美しき復讐者を演じます。

「復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」に続く復讐三部作の完結編として、幻想的に美しく残酷な世界が展開されてます。

親切なクムジャさん プレミアム・エディション [DVD]

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 美しい女性から後光がでている↑のイメージ、私は聖母マリア(父親不詳の子を産むという共通点もあるし)を連想しましたが劇中では「少女菩薩のような」と監督自らが形容してました。

劇中でイ・ヨンエが着こなす古い時代の映画女優のようなファッションがとても素敵。

(ネタバレありです)

 

 

「オールド・ボーイ」で主演を張ったチェ・ミンシクがイ・ヨンエ演じるクムジャの復讐の相手です。

同情の余地が一切ない悪役で、凄惨な最後を遂げます。

「オールド・ボーイ」では主演のプレッシャーがきつくて彼が苦しんでたから、今回は助演だし楽だよーとオファーしたとコメンタリで監督が語ってましたが、そうやって用意したのがこの役ってのが抜群のセンスだと思います。大好き♡

 

冒頭からチェ・ミンシク顔の人面犬がソリに縛り付けられて銃で撃ちぬかれたり、自分の罪をかぶり実況見分に行くクムジャを彼女の赤ん坊を抱えたまま笑顔で見送ってたり、すげー胸毛で出てきたり(クムジャは胸毛の後「下」の方をみる)、お子様の前でころころお遊戯してたり(ものすごく小憎らしい)、異様な結婚生活(ドクズ)を送っていたり、手作りのギャグボールかませて椅子にしばりつけじわじわ苦しめて殺していったり、チェ・ミンシクのファンにはたまらないシチュエーションが満載で、衝撃作だった「オールド・ボーイ」の影響で全世界にできたミンシク先生ファンのためにパク・チャヌクが送るファビュラスなプレゼント映画だなって思いました☆

むしろそこから逆算して物語を組み立てて行ったんじゃないかな、ってくらい♪(違う)

 

劇中でクムジャさんが呟いているように、「やるからには何事も美しく」なるような肉付けがされています。 

前半は女子刑務所の中で彼女が得た人脈を紹介していくため女性たちの物語です。

後半は同じ痛みと罪をわかちあう家族たちと、そこは共有できない分かち合えないことで苦痛を味わうクムジャが描かれてます。

 

この映画も好きなシーンがたくさんあります。

ほとんどがクムジャに対して下心を抱く男性登場人物の中で、揺るぎなく妻を愛し「女神だ」とうっとり呟く鉄工所の経営者のシーン、彼の刺青と銃を構える腕がシンクロするシーン。

自分に一目惚れして挙動不審な若い年下の男の子クンシクを「この子は馬鹿なのかな」と心の中でクムジャが呟くのは、おそらくペク先生も高校生のクムジャに対して似たような気持を抱いていたことの暗示でしょうし、その後クンシクとベッドを共にしたクムジャが取る行動(非常にドライで、かつこういうシチュエーションで男性が取るような行動)もかつて先生が同じことをクムジャに対してしたのではないかと暗に匂わせるような演出になってます。

 

劇中では大きなショックを受けたクムジャが四つん這いになって深呼吸する場面が何度が出てくるのですが、同じことをペク先生もやっていて、世間知らずで 愚かだった10代の頃に出会いしばらく一緒に暮らしたであろう先生の影響が彼女にとっては決して小さくはないことも伺えます。

出所してきたクムジャに傷めつけられ拘束された彼が自分の意志からかけた第一声も「なんだそのアイシャドウは」という、まるで彼女はまだ自分のものだと思っているような場違いなものでした。

でももしかしたら逆に自分に対して13年間も憎しみとはいえ強い思いを 抱えさせて全てを賭けて復讐に来させようと仕組んだのも彼なんじゃないか、みたいなことはオールド・ボーイを見てたら考えてしまうことで。

 

オーストラリアに養子に出されていたため、クムジャは実の娘と話す言語が違い満足な意思疎通ができない。

だから、おそらくは娘の父親であり復讐の対象である英語講師のペク先生の後頭部に銃をつきつけながら通訳させます。

娘は母親が男に銃をつきつける様子をその目で見ている。

クムジャは感情を抑えきれず涙を流し、ペク先生は彼女の言葉を丁寧に訳しながら(ミンシク先生のあの柔らかくて優しい声が非常に効果的)露悪的に冷笑している。

もうこのシーンが素晴らしすぎて本当に興奮して鳥肌がたちましたよ!!

あれ見れただけでもこの映画を見た甲斐があるってもんです。

 

前半のポップでキッチュで悪い夢のような色遣い(映画の中では女子刑務所の壁はピンク、囚人服もパステルカラーでしたが、実際はそうではないそうです)が嘘のように後半は色遣いが抑えられた色調になり陰鬱に雲が垂れ込める。

 

全てが終わった後、全てを覆い隠すような雪が降ってきて、白いケーキをクムジャは娘に差し出す。

ここでクムジャの娘が自分を捨てた母親に会えたら復讐しようとしていたこと、それでも母が3回謝ったら許すと言ったこと、それでもその娘はあのペク先生と彼に復讐をなしとげたクムジャ自身の血を引いていて、もしかしたら物語を引き継ぐのはクムジャの娘でまた同じことが続いていくかもしれない。

もしくは娘が母を許したように、次の世代にはまた別のもっといい解決方法があり許しがあるかもしれない可能性を思わせて静かに映画は終わります。