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bloody’s diary

☆血反吐を吐きつつ書くブログ☆

映画「チェイサー」見たよ!!!

映画 韓国 キム・ユンソク

韓国映画ノワール寄り基本編もだいぶ消化できてきました。

今回は「チェイサー」2008年の作品です。


チェイサー : 作品情報 - 映画.com

 

悪いやつら 」でヤクザの組長を演じていたハ・ジョンウが連続殺人犯チ・ヨンミンを演じています。

彼を追うのがキム・ユンソク演じるオム・ジュンホ。

 

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 最初から気持のくらーくなる場面の連続でしてね!!

ジュンホは元刑事で今はデリヘルの経営者で女性を派遣してるんですけど、3人ほど女の子が疾走してしまったせいで人が足りない。

そのため、風邪で仕事を休んでいたミジンを半ば脅すように無理やり仕事に借りだして派遣する。

ミジンを待っていたのは連続殺人犯のヨンミンだった、という流れです。

 

連続殺人犯を元刑事が追う、となると私のイメージとしては緻密な推理による頭脳戦で相手を追い詰める、犯人も裏の裏を読んで相手を出し抜く心理戦、というのがあって、そう思って見てたからびっくりしました。

ジュンホは全てを暴力で押し通す。

話を聞き出せないとなると躊躇なく椅子を振り上げる。

けっこう序盤に犯人を捕まえるんですが、容赦なく殴る。

 

ずーっとそういう映画ばっかり見てたのでもう今更どうのこうのはないんだけど、ああいう時に殴るのって目の前にいる人間に対する怒りだけじゃなくてもっと大きなものが込められているなと感じました。

 

例えばジュンホは2年前まで警察で働いていて当時の知り合いも警察にいてつながりもあって、なのにデリヘルを経営している。

チンピラみたいな風貌で、いちゃもんをつけてきた客は逆に脅迫するように慰謝料を絞りとる。

そういうのを見ていると、警察で働いていた頃にどれだけ汚いものを見て失望したかに思いを馳せずにはいられません。(的はずれな見方かもしれませんが)

 

また、ジュンホは中盤くらいまで女性たちは殺されたのではなく売り飛ばされたと信じてます。

自分の商品である女性を勝手に売られて損害を被ったことに憤りを感じている。

資金繰りにも苦労してるところが見て取れるので、金銭面でのいらだちや 自分の体面が潰されたことに対して苛ついて犯人を追いかけているのですが、途中でミジンに娘がいたことを知り彼女と合流してからはそこに「まだ生きているかもしれないミジンを助ける」という要素が加わります。

最初はミジンの幼い娘にさえ横暴に振舞っていたジュンホの態度が映画が進むに連れて変化していくところはよかった。

 

一方犯人のヨンミンは、外見的には普通のどこにでもいるような若者です。

身なりもきちんとしているし、言動におかしなところもない。

でもそれが一層彼の不気味さを際立たせています。

途中、取り調べを受けるヨンミンが「お前は性的不能だから犯す代わりに女を殺したんだろう」と言われ激高する場面があります。

私は人の感情を読み取るのが苦手なので、図星を指されて怒ったのか、それともそんな陳腐な理由じゃないと怒ったのかがわからないんですよね。

自分の甥を理由もなく殺そうとしてたエピソードもあるし、後者の方がより理不尽で私は好きです。

 

ヨンミンは今までにも何回か警察に連行されているし、映画の序盤で捕まった時も警官の前で犯行をあっさりと告白する。

朝食べたものを報告するように何の気負いもなく。

得意げにでもなく本当に淡々と微笑を浮かべながら普通に語ってて、これがまた異常な雰囲気でぞわっとしました。

 

 ジュンホはミジンが監禁された家を探し求めてソウルの住宅街を走り回るのですが、その町並みがいかにも不吉なことが起きそうな不穏な感じに撮影されていて映像として素晴らしかったと思います。

 言葉で多くを説明せず、映像と俳優の演技と観客の読解力に任せるのはこの作品もで見終わった後はやはり胸にずしっと重かったです。

 

最初はただの腹の出た中年男に見えたジュンホがどんどん魅力的にセクシーに見えていくのも映画の持つ力だなと思いました。